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診療案内
体外受精(IVF)
体外受精(IVF= In Vitro Fertilization)とは、自然周期または卵巣刺激(卵胞をより多く育成する治療法)により卵胞を発育させ、卵子が成熟したタイミングで採卵し、体外で精子と受精させる治療法です。卵管性不妊症・重度男性不妊症・免疫性不妊症・原因不明不妊症など、自然妊娠が困難な場合に有効な治療として用いられます。当院では、採卵1回あたりの妊娠率を向上させるため、調節卵巣刺激を第一選択としています。
Egg Retrieval Process
採卵方法
採卵の方法には、調節卵巣刺激採卵と自然周期採卵の2種類があります。
自然周期採卵
本来の月経周期を活かすため、卵巣や体の負担を抑えることができますが、採取できる卵子は1個のみとなり、余剰胚はできません。
調節卵巣刺激採卵
排卵を抑えつつFSH製剤やHMG製剤製剤で卵巣を刺激し、複数個の卵子の確保を目指します。
Procedure Overview
実施方法
採卵前
内服薬や注射を用いて卵胞の発育を促します。卵胞が20mm近くに達した時点で卵子の成熟を促す薬剤を投与し、その2日後に採卵を行います。
採卵・採精
採卵
麻酔は、全身麻酔(静脈麻酔)
採精
自宅または当院内の採精室にて採精していただきます。その後、培養室で洗浄・濃縮処理を実施します。
媒精および顕微授精(ICSI:Intracytoplasmic Sperm Injection)
胚培養および凍結
採卵の翌日に受精状況を確認します。通常、採卵後5〜

胚移植および妊娠判定
採卵とは別の周期に、胚移植を行います。胚移植前には、卵胞ホルモン剤や黄体ホルモン剤を用いて、子宮内膜が胚を受け入れやすい状態に整えます(ホルモン補充周期/HRT周期)。胚移植後、約1週間で妊娠判定を行い、絨毛(のちに胎盤となる組織)から分泌されるhCGの測定により、着床の有無を確認します。
用語解説
IVF | In Vitro Fertilizationの略で、体外受精法を指します。 |
媒精 | 洗浄・濃縮した精子を卵子の入ったシャーレに加え、自然な受精を待ちます。 |
調節卵巣刺激 | 卵巣内で複数の卵胞を発育させるための治療法です。内服薬や注射により卵胞の成長を促します。 |
採卵 | 成熟した卵子を卵胞液ごと採取する手術です。採卵は、全身麻酔(静脈麻酔など)または局所麻酔を選択して行います。 |
採精 | 精子の採取を指し、自宅または院内でカップに直接採取します。 |
ICSI | Intracytoplasmic Sperm Injectionの略で、顕微授精法とも呼ばれ、重度の男性不妊症の場合に卵子内へ単一の精子を直接注入する技術です。 |
胚培養 | 受精卵(胚)を、適切な培養環境下で育成する工程を指します。 |
胚盤胞 | 胚が約5~6日間の培養を経て形成する、液体で満たされた内部空腔を持つ発育段階の胚です。着床に適した状態とされています。 |
初期胚 | 受精後2~3日目に見られる、4~8細胞期の胚を指します。 |
胚移植 | 培養した胚を、子宮内に移植する手術です。 |
絨毛 | 胚の外側を覆う細胞層で、後に胎盤を形成する組織です。 |
hCG | Human chorionic gonadotropinの略で、絨毛から分泌されるホルモンです。着床後に妊娠を確認するための指標として利用されます。 |