体外受精・顕微授精は、以下のような手順で行います

体外受精の流れ

よい卵をたくさん育てます(卵巣刺激)

排卵誘発剤を使ってたくさんの卵胞を育てます。
採卵前に自然に排卵してしまうことがないように、併行してお薬を服用し、脳が採卵前に排卵指令を出さないようコントロールします。
採卵の36時間前に注射や点鼻薬を使って、卵子の最終的な成熟をうながします。

当クリニックでの刺激例

患者さんの状態に合った卵巣刺激方法を医師が決めます。

  • 刺激例① 刺激例①
  • 刺激例②
    刺激例②
  • 刺激例③
    刺激例③

卵子を体外にとり出します(採卵)

採卵

麻酔をかけ、長い注射針を腟の壁から卵巣内の卵胞に刺し入れて、卵胞液ごと成熟した卵子を吸引します。

卵子と精子を一緒に(媒精or顕微授精)

媒精or顕微授精

マスターベーションで採精された精液を洗浄・濃縮して元気な精子を選び、卵子の入ったシャーレに加え(媒精)、自然な受精を待ちます(体外受精)。
重度の男性不妊症などの場合には、1個の卵子に1個の精子を針で注入することで受精を促す顕微授精(ICSI)を実施します。

卵子と精子を一緒に(媒精or顕微授精)

体外受精の流れのイメージ写真

採卵の翌日に受精したかどうかを確認した後、胚の培養を続け、胚盤胞(着床時期の胚/採卵5~6日後)まで培養します。
得られた受精卵の数が少ない場合には、4~8細胞期胚(初期胚/採卵2~3日後)の胚凍結を行うこともあります。

良好な胚を凍結保存します(胚凍結保存)

胚凍結保存

受精してくれたものの中で胚盤胞まで育ってくれたものを凍結保存します。
保険診療では、奥さまの年齢によって胚移植の回数が制限されています(子ども1人あたり、40歳未満であれば6回まで、40~42歳は3回まで。43歳以上の場合、ARTは保険適用外となり自費診療になります)。

子宮内膜を妊娠しやすい環境に(黄体補充)

黄体補充

採卵とは別の周期に、移植した胚が着床しやすいよう、卵胞ホルモン剤や黄体ホルモン剤を投与し、内膜を着床しやすい状態に整えます(ホルモン補充周期/HRT周期)。
※月経が規則的で子宮内膜の状態が良い場合には、自身のホルモンで内膜を整える周期に移植を行うこともあります。(自然周期)

凍結胚を融解してから子宮に移植(ET/凍結融解胚移植)

ET/凍結融解胚移植

凍結してあった胚盤胞を融解し、子宮内膜が胚を受け入れる状態にある時期(着床の窓が開いている時期)に移植をします。
着床率が高いとされる、見た目のグレードがもっとも良好な胚から基本的には1個(※)を選び、カテーテルを使って子宮内に移植して、着床を期待します。
(※)日本産科婦人科学会は、不妊治療による多胎妊娠を減らすため、「35歳未満の女性なら1個」、また「35歳以上の女性や反復不成功例の場合でも2個まで」にとどめるよう会告を出しています。

移植した胚は着床してくれたでしょうか(妊娠判定)

妊娠判定

胚盤胞移植から1週間後、妊娠したかどうかを判定します。
胚が着床していれば、絨毛(のちに胎盤になる組織)からhCGという成分が分泌されます。
それは赤ちゃんからの「ここにいるよ」のサインなのです。